アジアの国々のこれから――。
三つの選択肢があるように思えます。
1)まずは、現状維持
専制国家の別名は、賢人政治です。
農業時代そのままに、ヒツジと羊飼いに分断された社会。
ヒツジにパン(成長)とサーカス(対外緊張)を与え続ければ何とかなる!
羊飼いたちは、そう考えているようです。
そして、賢人統治の裏側に、汚職の蔓延があります。
2)民主化
民主主義の別名は、多数派専制。
(諸々の)少数派には悪夢です。
制御不能な暴走が懸念されます。
3) <弱い中央>による統合
ある種の、地域連合国家、アメリカ合「州」国型。
いま、地方分権で成功している国があります。
スハルト政権崩壊(1998年)後のインドネシアです。
極端な中央集権だったスハルト時代。
スハルト政権が崩壊して、かつての分離・独立運動指導者が知事や市長に。
権力も資金も大幅に地方に移りました。
すると――分離・独立運動は雲散霧消。
そして、なにより地方が活気づきました。
自分たちの運命は、自分たちで決める。
そんな感覚が広がったのです。
もっとも、皮肉にこんなことをいう人もいます。
「汚職が小規模になり、全国に拡散した」